誤解語は、その単語の意味を「クリアーにする」まで誤解されたままです。 いったんその単語が完全に理解されると、それは「クリアーにされた」ことになります。
生徒が、勉強の中で誤解した単語を見付け出し、それをクリアーにするために使われる手順を 「単語クリアー」と呼びます。まず最初に、何かを読む時や勉強の時に出合ったわからない単語や記号をクリアーにするのに用いる、厳密な手順を学ばなくてはなりません。 この手順は、すべての単語クリアーの技術に使われています。
単語をクリアーにするステップ
1. 何かを読んでいる時には、辞書を手元に置くようにします。そうすれば、読んでいる途中で出合ういかなる誤解語や記号もクリアーにすることができます。 単語の定義の中にクリアーにしなくてはならないような難しい単語を使っていない、簡単で良質の辞書もあります。
2. 理解していない単語や記号に出くわしたら、辞書を引いて定義にざっと目を通し、その誤解された単語が含まれている文脈に当てはまる単語の定義を探します。 その定義を読み、その単語の意味の概念がはっきりするまで、その単語を使っていくつも例文をつくります。 これには10あるいはそれ以上の文をつくることが必要になるかもしれません。
3. 次に、その単語の他の定義も、それぞれをはっきりと理解するまで、例文をつくりながらクリアーにします。
単語にいくつもの違った定義がある場合、ひとつの定義を理解しただけでは、その単語を「理解した」ことにはなりません。 後でその単語が違った意味で使われていても、理解できなければなりません。
とはいえ、技術的、専門的な定義(数学、生物学など)、あるいは廃れた(今はもう使われていない)定義や古い(昔の使い方でもう一般には用いられていない)定義は、その単語が誤解された文脈上でそのように使われていない限り、クリアーにはしません。 それを行うと、それらの定義に含まれている他の知らない単語にたくさん出合ってしまうかもしれず、勉強の進みが著しく遅くなってしまいます。
4. それから、「語源」をクリアーにします。語源とは、その単語の起源を明らかにするものです。 語源をクリアーにすることは、その単語についての基本的な理解を得る助けとなります。
5. ほとんどの辞書には単語の慣用句が載っています。 「慣用句」とは、その慣用句を構成するひとつひとつの単語の通常の意味からは、その意味を理解することができない言い回し、または表現のことです。 例えば、「水を差す」という慣用句には、「他人の熱意を冷ますようなことを言ったりして邪魔をする」という意味があります。 慣用的な表現のある単語はたくさんあります。それらは辞書に定義されており、通常、その単語自体の定義の後に載っています。 クリアーにしている単語に慣用句が載っていたら、それも同じようにクリアーにします。
6. その単語について与えられている他のどのような情報もクリアーにします。「使い方に関する注意」、「類義語」などです。それによって、その単語を完全に理解することができます。 (類義語とは、意味が似かよった言葉のことです。例えば、「美しい」と「きれい」など。)
7. クリアーにしている単語の定義の中で、別の誤解語や誤解された記号に出合ったら、すぐに同じ手順でそれをクリアーにし、それから、それまでクリアーにしていた定義に戻らなければなりません。 (辞書の中で用いられる記号や略語は、普通その辞書の前の方で説明されています。) しかし、単語の定義の中で使われている単語をクリアーにするだけで、ひどく時間がかかってしまうようであれば、より簡単な辞書を使うべきです。 良い辞書を使えば、途中で他の単語をいくつも調べたりしなくても、ひとつの単語をクリアーにすることができます。
単語をクリアーにする例 | |
単語は、以上のようなやり方でクリアーにされなくてはなりません。 単語を理解すれば、コミュニケーションが可能になります。そしてコミュニケーションできれば、どのような主題も理解することができるのです。